公益財団法人 住吉偕成会 住吉病院

甲府市の『公益財団法人 住吉偕成会 住吉病院 』の”エンパワメント”ブログ

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2014-05

ユマニチュード

投稿時間 : 22時17分05秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし


精神看護17巻第3号、2014年5月、医学書院

「精神科看護」誌を読んでいたら、特集として「新しい認知症ケアメソッド『ユマニチュード』」というものが紹介されていました。認知症の診断をお持ちの方の「周辺症状」の対応に悩む医療・介護の現場で、「ユマニチュード」と呼ばれるケア方法が注目されているそうです。「見つめる」「話しかける」「触れる」「立つ」を基本に、自分の目の前にいる人は病人である前に、人間なのだ、として接することで認知症の人との間に信頼関係が生まれ、「周辺症状」が改善するといいます。

フランス発祥のこのケア法のねらいは、認知症の診断をお持ちの方と支援者がコミュニケーションを改善する、つまり、つながることができるようになることです。フランスでは、35年前から研究が進み、今では、ヨーロッパでも導入され、わが国にも広がり始めているようです。

「ユマニチュード」考案者イヴ・ジネストさんは、利用者様との接し方には4つの柱があるとしています。

1.見つめる  見下ろすのではなく、水平に本人の正面から近づいて視野に入る。
         時間をかけて20センチくらいの距離で目と目を見て話しかける。
         目と目があったら2秒以内に声をかけること。
2.話しかけること 相手が心地よく感じる言葉を穏やかな声で話しかけ続ける。
3.触れること 赤ちゃんに接するように。広くやわらかくゆっくりなでるように。
          手首をつかむのではなく、動こうとする意思を生かして、下から支える。
4.立つこと 人間は立つことで筋力が鍛えられ、骨が強くなり、呼吸機能の劣化を防ぐ。

出会いから別れまでの5つのステップ

1.出会いの準備
2.ケアの準備 視野に入ったら見る・触れる・話す を意識的に活用する。
3.近くの連結 見る触れる話すの少なくとも2つを同時に用いて、患者さんが受け取るメッセージ
  を調和させるようにする
4.感情の固定 ケアが終わったらポジティブな関係が残るようにしてケアの価値を高める
5.再会の約束 次回の約束を必ずすること

ユマニチュードの方法によって認知症の方ご本人に笑顔が戻り、ご家族も穏やかな気持ちになると、医療にあたっている人も、やりがいのある仕事に就いているという誇りを取り戻すことができる、といいます。大事な視点はお互いに影響を与え合う存在として出会う場面において、

ケアをしている私はどんな存在なのか?
ケアを受けている方はどんな存在なのか?

ここにユマニチュードの哲学の原点があります。就労支援を進めている仲間や、在宅ホスピスを実践されているスタッフの方と同じ哲学が根底に流れていると思います。

「人は他者から人として遇されなければ、人たる特性を持つことはできません。」

 


最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。