社会参加活動を通じた高齢者の介護予防を目指して、東京都稲城市が9月から、「介護支援ボランティア制度」を開始した。高齢者はボランティアの活動実績に応じて評価ポイントを付与され、自身の保険料負担の軽減などにあてることが可能。全国に先駆けた実施となる。同市は、今年度を試行期間として、08年度から本格的な実施を目指す。 制度の目的は、高齢者による地域貢献の奨励や社会参加活動を通じた介護予防の推進。
対象となるのは65歳以上の高齢者(第1号保険者)。管理機関である稲城市社会福祉協議会(社協)へボランティア参加登録をすると、介護保険施設などの受け入れ機関を紹介されるとともに、介護支援ボランティア手帳「健康に心配なし手帳」を交付される。
次に、受け入れ先でボランティア活動を実施。活動実績に応じて手帳にスタンプを押印される。スタンプは1時間程度の活動で1日に2つまでとし、スタンプ数によって社協からポイントを付与。スタンプ10個から19個で1,000ポイント、20個~29個で2,000ポイント、30個~39個で3,000ポイント、40個~49個で4,000ポイント、50個以上からは5,000ポイント。
このようにして得たポイントに応じて、市が金額を参加者の口座に振込。1,000ポイントは1,000円を意味し、1年間で最大5,000円を自身の保険料負担の軽減などにあてることが可能となる。
制度が適用される受け入れ先機関と実際のボランティア活動内容は稲城市長が指定。機関は8月31日までで、介護施設と高齢者会食会を運営する計9団体がすでに決定し、今後も増加していくことが見込まれる。実際の活動については、レクリエーションなどの指導、お茶だしや食堂内の配膳・下膳などの補助、散歩・外出・館内移動の補助、話し相手になることなどを想定している。
登録者の受付は9月3日から開始。同市の担当者は、市民の制度の受け止め方について「もっとやってほしい、金額を上げてほしいなど前向きな意見が多い」と説明し、反響の大きさを伺わせる。一方、登録を受け付ける同市社協の担当者は9月3日時点で、「想定した程度の登録はある」と話すなど、滑り出しはまずまずのもようだ。
【制度導入の経緯】
同制度の導入は、05年7月に同市の石川良一市長が厚労省老健局長に介護支援ボランティアへの保険料控除制度の創設を要望したことがきっかけ。同市は昨年「介護支援ボランティア特区」構想を国に提案したが、保険料控除は介護保険制度の根幹に関わるとして実現しなかった。しかし、07年4月、厚労省が「『地域支援事業交付金』を活用した制度の導入は可能」とする解釈を示し、全国展開が決まっている。
(wrote:医療・介護人材サービス キャリアブレイン 記者)
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