公益社団法人京都保健会 京都民医連中央病院

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16
2010-11

師長さんの看護観

投稿時間 : 10時46分25秒

カテゴリー : 看護観

ジャンル : 日記


先日、卒後3年目スタッフの研修が行なわれました。その中で、今回は産婦人科病棟のH師長さんの看護観を聞く機会がありました。人生の先輩としても素敵な内容だったので、紹介します。

なぜ看護師になったのか~今に至るまでの“自分史“を含めた話でした。

 

*なぜ看護師になったのか?

 自分が健康だったため、人の役に立つ仕事がしたい、また、ライセンスをもって自立できる仕事だから、という理由から。両親からは「あなたに人の下のお世話ができるはずはない」と反対されましたが、毎日トイレ掃除をして、説得し、看護学校へ入学しました。

 

*忘れられない母性実習

 初めて立ち合わせていただいたお産で、なんとも言えない、言葉では表現できない喜びを味わいました。その日は感謝の気持ちでいっぱいになり、生まれて初めて母親に「産んでくれてありがとう」と心から感謝しました。将来は助産師に、との思いが芽生えました。

 

*就職する病院は・・・

 誘われて見学に行った民医連の病院。入院患者さんの手足がとてもきれいで、きちんとケアがされていて、「この病院だったら家族を入院させてもいい。」と思えました。またみんなでカンファレンスをし、常に中心に患者さんがいて、患者さんと対等な関係で、患者さんが大切にされている、と思い、迷うことなく就職しました。

 

*結婚・出産・育児と仕事の両立

就職前に結婚し、卒後1年目に妊娠、その後2年おきに3人の子どもが生まれました。当時は育児休暇制度がなく、産後8週間で産休から復帰。まわりのスタッフに支えられながら仕事に、育児に励みました。その中で“仲間”を意識するようになりました。

 

*卒後3年目は診療所研修

100才近い患者さんの大往生に寄り添った経験をしました。大勢の家族や親戚に見守られながらの大往生に生命の尊厳を感じました。

診療所の婦長さんは常に「患者さんにとって必要だから」「誰かがやらなければ私がやる」と行動され、心から患者さんを愛し、地域を愛されていて、患者さんからも愛されていた婦長さんでした。人間としての愛情の深さを教えてくれました。

 

*やめようか、との思いを振り切った理由

子育てしながらの仕事はやはり大変で、“もうやめよう”と思いましたが、辞めなかったのは「自分はまだまだ一人前になれていない。理想とする看護師像に近づいていない、先輩みたいな看護師になりたい!」という思いでした。

 保育園に迎えに行くと「おかーあさーん!!」と抱きつきにきてくれる子どもたち。子どもにも支えられた日々でした。

 

*助産師学校

 上の子どもが小学校にあがり、さすがに両立の限界を感じ、一旦退職したのですが、次の目標を助産師に決め、家族の協力を得て学校へ入りました。一番勉強した1年間でした。

 

*助産師として

 助産師として働いて15年経つのですが、2人の命を同時に預かる責任も重大な仕事ですが、それ以上のやりがいを感じています。誕生の瞬間は何度経験しても色褪せることはないし、この場にいさせてくれてありがとう!という気持ちになります。

助産師は私の使命で、一人一人の命が大切にされる社会になるように、今、自分ができること、やらなければならないことは何か、と常に自分に問いかけています。

 

*ずっと大切にしてきたこと

 「患者さんに寄り添うこと」

 「3つのH」・・・HEARTHEADHAND

  心と知識と技術。どれも大切。看護師は学び続ける責任があると思う。勉強をしない人は看護師を続けていってはいけないと思う。

 「観察することが大切」

  その人にとって何が大切なのか、必要な時に支えられる看護師、助産師になりたいと思っています。

 

*師長として

 患者さんもスタッフも“家族”と思うようになった。家族ならどんな看護をしたいか、してほしいか、と考えます。スタッフは今までは「仲間」という意識でしたが、最近は「スタッフがしんどい時に、スタッフのお母さんならどうしてあげられるだろうか」と家族のように考えるようになりました。一人ひとりが大切にされる、されている、と感じられるような病棟をつくっていきたいと思っています。

 

 話を聞いたあとの卒3スタッフからは、「これからも看護を積み重ねて、H師長さんみたいな素敵な考えをもった看護師になりたい。」「同じ病棟の師長さんだけど、普段聞けない話がきけた。師長さんが師長でよかった。」などの感想が出されました。

 

 実は私の子ども母子手帳の出生時の助産師欄にはH師長さんの名前が。子どもが大きくなったらこんな助産師さんにお世話になったんだよ、と話してあげようと思いました。

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