医療法人 徳洲会

東京都千代田区にある『医療法人 徳洲会』のブログ

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治療を成功に導く集中力とチームワーク

 

チームワークも重要だ。心臓カテーテル術に外科医が立ち会うことはまれだが、

今回の治験では必ず立ち会う。内科医がカテーテルを操作し、外科医は血管の露出と

閉創を担当するほか、予期せぬ出血などの不測の事態に備える。なるべく短時間で

治療を成功させるためには、ひときわ高い集中力が求められる。

 

「テレパシーが必要なほど。こんな治療はこれまでにないと思います」と齋藤副院長。

各医師がもつ技術のコラボレーションでもある。TAVIに使われるカテーテルの径は

18 Fr(6mm)で、心臓カテーテル術の4~5Fr(1.3~1.7mm)よりはるかに太い。

そこで、大動脈瘤に対するステントグラフト術の経験が豊富で22 Fr(7.3mm)の操作

に長けた荻野部長がその技術を提供するといった具合だ。

       治験機器

「私は2007年にステントグラフト術を始めましたが、カテーテルの経験がほとんどありませんでした

。齋藤先生が快く協力してくださったおかげで、スムーズに始められたのです」と荻野部長は語る。

同院には、新しい取り組みをするときに、さまざまな診療科が助け合う土壌があるという。

田中部長と荻野部長は、大動脈疾患を総合的に診て最善の治療を行う「大動脈センター」でも

協力し合っている。

「全国の徳洲会病院にかかっていらっしゃる大動脈弁狭窄症の患者さんに福音をもたらしたいと思います」と齋藤副院長。日本国内での実施症例数は合計50症例を予定。同院の契約は7症例で現在、被験者を募集している。




 

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大動脈弁狭窄症に内科的治療 人工弁の治験が始まる~湘南鎌倉総合病院~(PartⅡ)

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外科的な開心術を施行することが困難な重度の大動脈弁狭窄症患者さんを対象に、

内科的にカテーテルを用いて植え込まれる人工弁の治験が国内で行われる。

この治験を実施する4施設に、唯一の民間病院として湘南鎌倉総合病院(神奈川県)

が選ばれた。


 

心不全・失神・狭心症などが症状として表れる大動脈弁狭窄症(AS)は、弁の開放が制限される疾患。治療を受けていない重度AS患者さんの平均生存期間は、僅か2~3年でしかない。

 

国内での標準治療は、大動脈弁置換術(AVR)。胸を大きく切り開き、人工心肺装置を使い心臓の

拍動を止めて行う外科的治療で、3~4時間程度を要する。

 

一方、TAVI(Trans catheter Aortic Valve Implantation:経カテーテル的大動脈弁植え込み術)は

内科的治療だ。多くは大腿部のつけ根を切開して大腿動脈または腸骨動脈からカテーテルを

挿入し、まずバルーン(風船)で硬化した弁を拡張する。

次に、大動脈弁の位置に重ね合わせるように人工弁を植え込む。心臓を止めることはなく、

処置は20~30分程度と短時間で済む。

 

ASに対する今回の治験に用いられる人工弁は、形状記憶合金とブタ由来組織でできたもの。

すでに欧州を中心に2万人以上の患者さんに使用されている。この治験は国内2番目。

 

対象となるのは、高齢ゆえに複数の疾患を有していたり体力低下があったりするとの理由で

AVR施行が不可能と診断され、かつ選択基準と除外基準をクリアした患者さんだ。

治験は国内4病院で実施されるが、湘南鎌倉総合病院は唯一の民間病院。

同院が実施施設に認められた要因の一つに、新築移転を機に設置された「ハイブリッド手術室」

があげられる。内科治療と外科治療の双方を行えるこの手術室を備えていることが、

治験実施施設の必須の条件だからだ。

だが最大の要因は、世界一線級のカテーテル術者として知られる同院の齋藤滋副院長

(循環器科)の実績が高く評価されたことだ。

 

                                             

齋藤滋副院長            田中正史                荻野秀光外科部長
                     (心臓血管外科部長)                              

験責任医師を務める齋藤副院長と田中穣・循環器科医長、荻野秀光外科部長、田中正史・心臓血管外科部長の4人は10月上旬、シミュレーターを使ったTAVIのトレーニングと講習をスイスで受けた後、実際の手技3例をオランダの医療機関で見学した。

「僅か30分足らずの処置で、2~3時間後には普通に座れるようになりますし、苦しさも消えてしまいます。まさに革命的です」と齋藤副院長。

術後1年の死亡率は、AVR(1%以下)に比べるとTAVIは相当程度高いが、同列に並べての比較はできない。TAVIの対象は、AVRを受けられないほど状態の悪い患者さんだからだ。

「従来手術では耐術不可能と考えられていたリスクの高い患者さんでも予後を改善できることから、従来のAVRとTAVIの両方ができればより多くの患者さんを助けられるようになります」と田中部長は話す。これまで、なすすべのなかった重症患者さんの生存期間を延ばすだけでなく、苦しさなどの症状を格段に和らげるTAVIを実施する意義は非常に大きい。

(PartⅡへ続く)


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大動脈弁狭窄症に内科的治療 人工弁の治験が始まる~湘南鎌倉総合病院~(PartⅠ)

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鹿児島本土の南540km、沖縄本島の北70kmに位置する沖永良部島。行政上は鹿児島県に

属するが、食事などの文化面は沖縄のそれに近い。隆起サンゴからなる美しい島に、

人口およそ1万4000人が住む。

「この島の人たちは、みんな温かい。島で唯一の病院として、私たちはそれを受け止める

義務があるんです」

 こう語るのは、沖永良部徳洲会病院の佐々木紀仁院長。この島で生まれ育った、生粋の

“沖永良部人”である。

「働くことが美徳とされるこの島では、80歳を過ぎた方でも普通に農作業をします。本当なら

手術が必要なほど関節が傷ついた人でも、仕事をやめません。子どもの頃から親への尊敬

をたたき込まれ、自分が親になったらそれを子どもたちに伝える習慣もあります。

そんな気持ちを大切に、私たちも“心の医療”で応えたいと思っています」

沖永良部に移住した2人の若きドクター

 この病院に、昨年5月から常勤医として加わったのが、腎臓内科の平野一部長と

小児科の徳涼子医師。平野部長は福岡県から、徳医師は三重県からの移住である。

 

「私は福岡大学を卒業した後、一時は福岡徳洲会病院にいたこともあります。当時の同僚が

沖永良部病院に応援に出ることになり、彼に誘われて遊びに来ました。そこでスキューバ

ダイビングを体験したら、見事にハマっちゃったんです(笑)」

 と語る平野部長は、その後も何度となく沖永良部島を訪れた。同じ趣味をもつ友人が

増えるにつけ、沖永良部病院のスタッフとも知り合い、いつしか離島医療の厳しい現実を

知ることになる。腎臓内科医が主に診るのは透析患者さんだが、「全ての患者さんがつらく

大変な思いをされているのが透析医療です。

1回4時間、週3回行うわけですから、仕事もままなりません。医療資源に乏しい離島では、

病気が進行したときや合併症を起こしてしまったときの心配もあります」と言う。

 やがて平野部長は、沖永良部への移住を決意。「求められる場所があるなら、そこに行く

のも医師のあり方。この沖永良部には、私が働く場所があると思えたんです」

 平野部長は、徳洲会グループの徳之島病院や喜界病院も定期的に訪問し、奄美の

透析医療を一手に引き受けている。しかし、「私だけでは手が足りません。

もう1人腎臓内科医がいれば……」とも残念がる。

 小児科の徳涼子医師は三重大学卒業後、同大学小児科に入局。自らも2度の出産を

経験しつつ、県内の総合病院などに勤務していた。「私の夫は沖永良部の出身で、何度も

一緒に里帰りに来ています。この島のよさはよく知っていましたので、移り住むことにも

まったく抵抗はなかったんです。2人の子どもたちにも、自然がたくさんある広々とした場所

で育ってほしいと思いました」

 今、全国で強く叫ばれる“医療崩壊”。特に産婦人科と小児科は顕著な医師不足にあえぐ。
「医師としては未熟な私ですが、お母さんたちと同世代なので、外来診療を通じて子育ての悩み

を共有し、親子ともに生き生きと生活できるような支援をしたいと思っています。

わからないことがあると、以前の勤務先や鹿児島・沖縄の病院の先生に相談したり、

患者さんに受診してきていただいたりしています」

 明るい性格で、いつも笑顔を絶やさない徳医師。帰宅後は、やさしいママに変身するという。

産婦人科を一手に引き受ける老医師

 産婦人科で奮闘するのは、小林純郎医師。年間100~110件ほどある島内の分娩の

大半を扱っている。うち10件程度の帝王切開手術も自ら執刀するという、“スーパー77歳”である。

 

「産婦人科医が注意するのは、胎盤早期剥離、前置胎盤、妊娠中毒の3つです。しかし、新任の

先生たちが来てくれたことで、内科の佐々木院長(専門は循環器)を含め、妊婦さんのほとんどの

症状をサポートしてもらえます。未熟児の場合には徳先生がいますし、帝王切開は外科の

天野(博哉)副院長が手伝ってくれます。離島でこれほど充実した体制ができるなんて、

今でも信じられないぐらいです」

 そう語る小林医師の表情には、医師歴50年というベテランならではの余裕と達観がある。

以前は、愛媛県内の病院などで勤務していた。

「65歳のときに、奄美の名瀬徳洲会病院に来ました。そこに7年ほど在籍し、その後で

沖永良部に移ってきたのです。ここ奄美は出生率が高い地域ですから、これからも住民の

皆さんのお力になれればと思っています」

 長時間の勤務を続けても疲労を感じないと言う小林医師に、佐々木院長がこんな声をかける。
「小林先生は77歳という年齢なのに、深夜や早朝の出産にも平気で立ち会っておられます。

数年前に2度の大きな手術をされているのが心配ですが、医師の先輩としても見習う点は

多いので、これからも島のお産を支えてほしいと思います」


島のグループホームで“おだやかな介護”を

 認知症のお年寄りが、症状の軽減や悪化予防を目的に共同生活をするグループホーム(GH)。

9名を1ユニットと数え、島内には5施設7ユニットがある。そのうち、「GHゆりの郷」と「GH岬」が

徳洲会グループの施設だ。

 GHゆりの郷の沖良子管理者が言う。

「島内のどの施設も満室で、それぞれに待機者がおられます。高齢化が進む中、こうした

施設の不足は大きな問題ですが、業務面では特に変わったことは何もしていません。でも、

勤務するヘルパーには一つだけ条件があり、それは島の方言ができることなんです」


 スタッフが施設内を走り回るような“騒々しい介護”は避け、“おだやかな介護”を心がけている

という。利用者さんに呼ばれたときも、スタッフは「ゆっくり急ごう」の気持ちで移動する。


「私は、『徘徊』という言葉も嫌いです。お年寄りは、必ず何か目的をもって歩いています。

孫が呼んでるとか、牛にエサをやるとか。ですから私は、“お散歩”や“運動”と呼んでいるんです」

 利用者の方は73歳から98歳まで、それぞれ要介護1から5までと多様だが、共通しているのは一点。若い頃から、家族のために仕事ばかりしていたことだ。
「こちらの民謡に、労働の喜びを歌った『汗水節』というのがあるように、働くことがこの島の文化

なんです。当施設の利用者さんも、親きょうだいや子どものために必死で働いてきた方々。

私たちの使命は、方言の『うやほう』(お年寄りを指す尊敬語)に寄り添い、家族のように思って

ゆっくりと過ごしていただくことだと考えています」

 沖永良部島の“心の医療”は、こうして介護の場にも貫かれている。

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島民の温かい人柄と、やさしい気持ちに応える“心の医療”

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