公益財団法人 住吉偕成会 住吉病院

甲府市の『公益財団法人 住吉偕成会 住吉病院 』の”エンパワメント”ブログ

30
2018-03

弁護士相談会のお知らせ

投稿時間 : 12時28分13秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

弊法人では、法テラス山梨様の巡回相談を利用して、ご利用者様の法律相談会を開催することといたしました。

日 時:2018年5月14日(月)14:00~16:00
場 所:住吉病院内(病棟面会室・外来相談室等)
対象者:住吉病院を利用されている方
※ 山梨県弁護士会から弁護士の方が来院されて法律相談に乗って
   くださいます

申し込み:担当ケースワーカーにまずご連絡ください。
       申込用紙をお渡ししますので、お書き込みいただいた上で封筒
       に入れて、封をしてからお渡しください。
       ・内容をあらかじめ病院スタッフに伝える必要はありません。
       ・封筒にはお名前だけお書きください。
       ・詳しくはケースワーカーにお尋ねください。
              


最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

22
2018-03

岐阜よりのたより

投稿時間 : 21時13分55秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

http://blog.cabrain.net/CN010030/article/id/104233.html
でご案内させていただいた通り、先月、岐阜県精神保健福祉会連合会さまにお招きをいただき講演をさせていただきました。過日、当日のアンケート結果をお送りいただきました。私自身がとても励まされる内容でしたので、一部をご紹介させていただきます。

当日は81名の方にお集まりいただき、うち60名の方にアンケートをお書きいただけたとのこと、あらためてお礼申し上げます。

【アンケートより】

・その人と力を合わせて困っている所に取り組む姿勢とても勉強になりました。
・担当している入院患者さんに何もできていないことを教えて頂いた様に思います。
 型にはめていたことにも気づくことが出来ました。まだまだ多くのことを学んでいき
 たいという意欲が湧きました(医療関係)
・支援者としても自分たちの関わりについて振り返りを致しました。精神科医療が
 変わるとともに、地域の福祉が変わっていかなければならないと思います(事業所)
・大変勉強になりました。自分たちに必要なのは議論でもなく、教育的な面からの
 指導ではなく、何よりも大切なのは対話であると痛感しました。
・「人は人と居ると自分の中で対話する」の言葉が心に残りました。
・諦めより希望を持たなくてはと思いました。難しい事もあるのでしょうが、出来る事を
 少しでも生かしていこうと思います
・私「ホ・オポノポノ」の実践者です。私個人的には「スピリチュアル」に助けられました。
・相談を受けている中で「薬を飲みたくない」という方や病識のない方等あり、幻聴や
 イライラ感で生きづらさを感じている人がいます。対話を大切にしながら、一緒に
 考えていきたいと思いました。
対話が大切なことがよくわかった。上から目線に気をつけたい
・家に帰って今日聞いた話を思い出して子供とこれから「対話」していきたいと思います
・精神科医療とは日進月歩の世界で治療法も当事者にとって当事者本位になって
 いくようになり話すことが大切なのだと勉強になりました。なかなか難しいけど希望
 の持てる話でした
オープンダイアローグというのは、派手な症状を示す人向きなのかなと思います。
 それともうひとつ思うのは、対話法が効果的なのは家庭内暴力の人とか、境界性
 パーソナリティ障害の人のような人生や生活が上手くいかなくて不満があり感情が
 処理しきれなくて爆発させるような人ではないでしょうか。本物の統合失調症の人
 には薬無し、対話のみで解決できるとは思えないのですが
・よい時間を共有できて嬉しく思っています。このような講演会に積極的に参加したい
 と思います。
・話を聞いて、自分自身との関わり方を学びたいと思った
・内容が多岐にわたり少し難しかった。質疑応答は具体的で身近な問題として
 よかった
・息子と対立することが多くて開かれた対話性について思い当たるので注意して
 やってみようとおもいます
・オープンダイアローグ、ACT等チームによる治療が普及していくことが重要と思われ
 ますが、その際単科クリニックではついていけないように思われます。そこで専門大
 病院又は総合病院の役割と単科クリニックとの役割が変化せざる得ないと思われ
 ますがどう思われますか?
とても参考になりました。わからないことがまだいっぱいあります
・困ったら何より相談してます。対話で解決出来ています。「対話良好」講演を聞いて
 考えさせられた
・わ質疑応答が自分の悩みと同じでよかったです。またお話が聞きたいです
・家族として当事者に向かう心の有様がわかり考えさせられました
 「なるほど」←実行したいです。幻聴や妄想を否定せず「傾聴する」
・対話で改善・治癒するなら理想的な方法ぜひ普及してほしい、対話の方法を具体的
 に知りたい(現在通院しているクリニックでは患者数が多くて対話の時間数をとる
 ことが困難では?)
・話を聴くというのは大切だと改めて感じた。誰でも話を聴いて欲しいと思うし聴いて
 もらうだけで安心する人もいる。孤独でいることが病状の悪化を進めてしまうと思う
・対話の大切さを実感いたしました。息子は全てお見通しなところがあります。
 「なるほど」続く対話を意識して、「いやだけど・・・」という言葉はやめます。薬が全て
 ではない。もう少しやわらかい頭になりたいです
・現実に生活している者はどうしたらよいのか。家に閉じこもっている家族とどのよう
 に接するのかそういう話も先生の講演で聞いてみたい。
・精神科の医師にオープンダイアローグはどれほど浸透しているのでしょうか?
 統合失調症の主治医の変更はどんなときに必要でしょうか
・40年も50年も通院治療しておりますが、医師に不満もあり対話の必要性に痛感
 します


※東海地区の朝といえばモーニングセットです。このお店は小倉あんトーストと
  卵でした


最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

21
2018-03

IPS援助つき雇用勉強会@3月のお知らせ

投稿時間 : 22時04分36秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

住吉病院とすみよし障がい者就業・生活支援センターでは、2008年よりIPS(Individual Placement and Support)モデルによる援助つき雇用に関する勉強会を開催しております。毎回いろいろな立場の方と学びを深めつつ、回数を重ねてきています。今シーズンは新しい本をみんなで読み、語り合う形式で開催しております。今回読み進めていくのは以下の本です。皆さまとまた深めてまいりましょう。

サラ・スワンソン 、デボラ・ベッカー 著,    林 輝男 編集, 翻訳:IPS就労支援プログラム導入ガイド -精神障がい者の「働きたい」を支援するために 。星和書店


IPS援助付き雇用勉強会2018年3月

日時: 2018年3月27日(火) 18:30~ 
     ※IPS勉強会は毎月第4火曜日です

場所: 住吉病院 ケアセンター(今回は場所が違います)
      アクセス→
http://www.sumiyoshi-kaisei.jp/s-toiawase.html
内容: 「IPS就労支援プログラム導入ガイド」
     第2章『IPS就労支援フィデリティアイテムの導入にあたって』
         『スタッフ:就労スペシャリストが支援できるクライアント
          数について』
         『スタッフ:就労支援に特化する』
         『就労支援全般を担う』
         『組織:精神保健支援チームとの支援統合』

お問い合わせは、すみよし就業・生活支援センター・中島/渡邊までご連絡下さい。はたらきたいと願う障害をもつ人の就労支援を進めるため、福祉・雇用・教育の関係機関、そして企業の皆様とのさまざまな情報の共有を行なうことを目的に、山梨県が開設した就労支援のポータルサイト『はたらき甲斐net』では「コラム」にて弊法人の「すみよし障がい者就業・生活支援センター」によるさまざまな活動の様子をご報告しております。是非、ご覧ください。http://www.hatarakikai.net


最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

19
2018-03

弓のように

投稿時間 : 23時07分15秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

私の仲間たちは精神的困難を経験した方々が働こうとすることの応援をしています。

「働いて元気になる!」を胸にしている人々が自ら人生を変える瞬間に立ち会い、そしてそれに立ち会った人もまた自らも己が生き方を変え、一歩を踏み出していくことがあります。そのような連鎖に立ち会えることは自分自身の学びであり、かけがえのない贈り物だと感じます。

いま、新たな道を切り開いていこうとする方々を目の当たりにするとき、レバノンの詩人、ハリール・ジブランの「子どもについて」の一節を思います。
※「ハリール・ジブラーンの詩」神谷美恵子・訳(角川文庫)より。


あなたがたは弓のようなもの
その弓からあなたがたの子どもたちは
生きた矢のように射られて、前へ放たれる。
射る者は永遠の道の上に的をみさだめて
力いっぱいあなたがたの身をしなわせ
その矢が速く遠くとび行くように力をつくす。
射る者の手によって
身をしなわせられるのをよろこびなさい。
射る者はとび行く矢を愛するのと同じように
じっとしている弓をも愛しているのだから。


最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

18
2018-03

触法精神障害者とIPS援助つき雇用

投稿時間 : 10時58分34秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

法務省では、罪を犯した人々の社会復帰と再犯予防に関しての総合施策において、無職の保護観察対象者の再犯率は有職者の再犯率の約5倍となっていることを指摘し、無職者による再犯が顕著な現状からすると、再犯防止のために就労の果たす役割は大きいとしています。

わが国の「医療観察法」では地域処遇についてのガイドラインはありますが、就労支援に関しては明確な方向性が提示されていないような気がします。しかし、精神疾患を有する方も、そうでない方と同様に再犯防止の観点から就労支援を利用することが意味を持つ場合もあるような気がします。

アメリカでは犯罪歴のある精神疾患を持つ方へのIPS援助つき雇用に関する研究もなされています。

Bond GR, Kim SJ, Becker DR, et.al.: A controlled trial of supported employment for people with severe mental illness and justice involvement. Psychiatric Services 66(10):1027-34, 2015

抄録をご紹介すると、筆者らは雇用は、重度の精神疾患を持つ人、特に刑事司法に関与している人々のコミュニティ生活への参加の鍵であるとし、重度の精神疾患を持つ人々が競争的雇用を達成するための科学的根拠に基づく実践(EBP)としてのIPSモデル援助付き雇用が逮捕歴や拘留歴のある重度の精神疾患を持つ人に有効かどうかについて、比較検討するための研究を行いました。
この研究では、無作為化比較試験では、重度の精神病をもち司法的関与を有する87人の参加者をIPSとピアサポート支援を伴う求人クラブアプローチを提供した比較グループに振り分けて、12ヶ月後に競争的雇用に関する成果を調べました。
1年間のフォローアップにおいて、IPSグループの参加者は対象グループよりも多くの割合で競争的雇用をに至っていました(31%対7%、p <.01)。入院率(51%対40%)や逮捕(24%対19%)または再投獄(両群とも2%)に関しては、フォローアップ期間中にIPSグループと対象グループの差は有意ではありませんでした。
結論としては、重度の精神疾患を持っている司法に関与されている人々が雇用を達成するためには、IPSが効果的なモデルであると示されていますが、その成果は従来のIPS研究のものに比べて控えめだったと彼らは述べています。
筆者らは結論として、精神疾患を持つ人々における司法的関与の割合を考えると、IPSの雇用スペシャリストは司法的関与のある個人との仕事における能力を高める必要があります。このグループの人々の雇用水準を高めるためには、連邦および州の法制度に対する変更だけでなく、IPSモデルのさらなる強化が必要になる可能性がある、と記載しています。

論文はこちらよりフリーでご覧になれます(pdfファイルです)
https://ps.psychiatryonline.org/doi/pdf/10.1176/appi.ps.201400510



最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

17
2018-03

この度「山梨オープンダイアローグ学習会」は、これまでもナラティヴなアプローチでご指導いただいた山梨英和大学の田代先生を、再びファシリテーターとしてお招きし、参加型の学習会を企画しました。オープンダイアローグ学習会に多くの方にご参加いただくことで、山梨でも精神障がいをお持ちの方が社会に参加し元気になれる可能性を広めたいと思います。どなたでも参加でき、精神保健医療福祉を大きく変える潜在力を秘めた技法であり思想でもあるオープンダイアローグを一緒に学んでみませんか?!!


日 時: 2018年3月24日(土)午後1時~午後4時
場 所: 山梨県立大学 池田キャンパス101講義室     
演  題: 「未来語りのダイアローグ~ナラティヴなアプローチの実際~」
参加費: 一般 1000円/学生・手帳所持者 500円
主 催:山梨オープンダイアローグ学習会
共 催:公益財団法人住吉偕成会
     山梨県立大学大学院看護学研究科精神看護学専門分野

※事前申し込み:不要
お問い合わせ:〒400-0851 甲府市住吉4丁目10-32 (公財)住吉病院
       TEL:055-235-1521   担当:CNS 佐野
なお、メールは山梨県の精神保健福祉を考える会アドレスにお願いします:
       yarimashoukai○gmail.com 〇を@に変えてご送信ください

第4回学習会のフィードバックの一部をご紹介します。

・改めて「聴く・話す」を区別することの大切さを知った。自分の「内なる声」
 を、対話を通して聴く事ができた。
・対話を通じていくうちに、その人の経験が厚くなっていくというプロセスを
 演習を通して思いました。板書を見たり、演習での語りを聴く事で、ポリ
 フォニーが生じ、自分の事を知ったかぶりしていたのではとも思いました。
・患者理解や寄り添う事も大切ですが、援助する側のNS自身の感情に
 気づくことも大切であると思いました。話を聴くことの大切さを痛感しました。
・対話を持つ機会が少なく、軽視しがちでありましたが、今回の語る会で
 対話による効果により、マイナス面からプラス面に切り替わる事ができる
 のを今日の会で把握する事ができました。しかし、オープンダイアローグ
 についての説明をもう少し理解しやすく説明して頂けたらと思います。
・率直な意見が出し合えて、自分自身および他者に向けて新しい考え方が
 出てきました。良い勉強会ですね。大変感謝します。
・AD(未来語りのダイアローグ)について今から、過去を振り返っても、現在
 を変えることはできないけど、未来を想像して、そこから過去(現在)をふり
 かえると、未来をかえることができることができるかもしれないと思いまし
 た。未来を想像するのは難しいけど、面白かったです。
・理論ではなく、体験の学びはすばらしいと実感しました。内的対話が活性
 化される体験ができて、良かったです。
・語ると聞くを分けることで、自分が深まることを実感しました。精神医療の
 権力性について考える必要があると思った。開かれた対話は新たな
 気づきの扉を開くと思った。
・未来語りのダイアローグは、こころがポッカポカになるんだなあーと感じ
 た。夢・希望、よく分からないけどうまくいっているイメージの力強さを
 感じた。自分の内的対話にも注目しながら、外的対話のおもしろみも
 あった。この場に表現されるすべてを全員の責任で、山分けしている感じ
 がした。人生は、結果ばかりでなくプロセスが中心ってことを振り返った。
・質問する方(プレゼンター)も含めて、ADの練習をもう少しくり返してしたい。
・人の悩みを聞いていて、自分の内の深いところからわいてくるものを感じ
 ました。自分との対話もうまれるな・・・と思いました。
・”相手の話を聞くことに徹する“ことも自分の内なる対話”が活性化されて
 いき“自分なりの答え”“おさまり”が出てくるのだろうと思います。
 “その人”が“おさまる”ことが大切だと思います。
・新ためて、きちんと勉強していきたいと思いました。
・○さんの課題がファシリテーターとのダイアローグで厚みを増し、支援者
 の感想を聴くことで収まる(治まる)様子が見られていました。前回、小
 グループでのセッションでしたが、今回、○さんの課題を全員で聴くこと
 で、一体感がありました。板書下手でしたが、板書がこの一(本)感に
 ひと役買っている気がしました。


みなさま、また対話の場でお目にかかれれば幸いです。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

16
2018-03

よんもくWRAP@3月のお知らせ

投稿時間 : 12時07分42秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

遅くなりましたが、3月のよんもくWRAPのお知らせです。WRAPとは元気回復行動プラン(WRAP=Wellness Recovery Action Plan)の略称で、アメリカ人のMary Ellen Copeland(メアリー・エレン・コープランド)さんが、精神的な困難を抱えている人たちとともに自身も苦しんでいた精神的な病いに対処して自らの主導権を失わずに元気を回復する方法を作ったことが原点です。

 
 
 

山梨で活動をしているWRAPファシリテーターの人々は毎月第4木曜日の夕方、弊病院ケアセンターで、WRAPのつどいを開催しています。

今月は3月22日(木) 18時20分~20時、住吉病院ケアセンターで行います。
今回は、「クライシスプラン」をテーマにして語り合う予定です。ご興味をお持ちの皆さま、よろしかったらお越しください。

参加費:200円+熊本地震災害カンパお願いします
※お菓子の持ち寄り大歓迎です

※詳しくは山梨の精神保健福祉を考える会のブログをご覧ください

http://yarimashoukai.blogspot.jp/2018/03/wrap.html



最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

前回のブログで、アメリカのオピオイド緊急事態について触れました。わが国においては、まだアメリカのような国家的な問題とはなっていませんが、非麻薬性オピオイド鎮痛薬の慢性疼痛への適用承認が行われ、徐々に処方が拡大してきているようです。この流れに関しては、かつてのベンゾジアゼピン系薬剤やSSRIのときのような適応拡大に対する懸念の声もあるようで、日本ペインクリニック学会では以下のようなガイドラインを公開しています。

日本ペインクリニック学会による
非がん性慢性[疼]痛に対するオピオイド鎮痛薬処方ガイドライン
https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/kaiin_guideline04.html


6.オピオイド治療が対象となる疾患 より

「・・・・心因性[疼]痛による痛みに対して、オピオイド治療は絶対に選択されるべきではない。オピオイド受容体は、人間の認知・精神情動の起伏・性格・気分などのコントロールに関与しており、心因性[疼]痛にオピオイド鎮痛薬が有効な可能性はあるが、心因性[疼]痛を含む精神心理的問題を持つ患者は、このような問題を持たない患者に比べて、オピオイド鎮痛薬の乱用・依存の危険性がはるかに高く、オピオイド治療は絶対に避けなければならない。また、心因性[疼]痛かどうか確実でない場合や、痛みの器質的原因や病態が不明な患者へのオピオイド治療も推奨されない。オピオイド鎮痛薬の効果判定の際に、鎮痛効果、鎮痛以外の効果のいずれの薬理学的効果であるかが判別できなくなる可能性が高いからである。
 オピオイド治療が検討される患者では、その開始に先立って、患者の精神疾患の既往やアルコールを含めた物質依存の有無、心理・社会的背景について、時間をかけて評価する必要がある。・・・・心理・社会的背景が痛みの強さ、継続に影響していると判断された際には、オピオイド治療を開始しない、もしくは精神科医等の診察を仰ぎ、治療中も診察を継続することが望ましい。」

7.患者選択 では

米国疼痛学会と米国疼痛医学会がまとめた「非がん性慢性[疼]痛に対する長期的なオピオイド治療」に関する診療ガイドラインを、本邦の文化、社会、医療体系に合わせて改変したオピオイド鎮痛薬処方の症例についてまとめた要約が掲載されています。その一部を転載します。

③オピオイド治療以外に可能なすべての治療が施行されているかどうかを確認し、
 痛みを緩和することが可能な治療の選択肢が残されている場合は、その治療を
 優先してオピオイド治療を選択肢から除外する。

④オピオイド治療の選択前に患者の薬物アドヒアランスを確認し、それとともに可能
 な限りオピオイド鎮痛薬以外の処方薬の削減を検討する。オピオイド治療が検討
 される患者では、非オピオイド鎮痛薬、鎮痛補助薬、向精神薬等が数多く処方され
 ていることが多い。処方薬の整理を行う過程で、患者の薬物アドヒアランスの改善・
 向上を行い、薬物療法自体への依存度を推測することができる。

⑤非がん性慢性[疼]痛の治療方針として、がん性[疼]痛のように、痛みの訴えが
 強いことだけでオピオイド治療の適応がある患者と判断されるのではなく、痛みが
 身体機能、QOLやADL(activities of daily living:日常生活活動)に悪影響を与えて
 いて、それらがオピオイド鎮痛薬によって改善を示す可能性が考えられる患者のみ
 を選択する。
⑥オピオイド治療の意義について理解できないほどの重篤な精神疾患あるいは認知
 機能障害を有する患者は、オピオイド治療の適応から除外することが望ましい。
⑦アルコール、ニコチンなどを含む化学物質使用障害(依存、耽溺など)の既往の
 ある患者は、オピオイド治療の適応から除外することが望ましい。

その他、ブプレノルフィンは変形性関節症・腰痛症で非オピオイド薬での治療困難な症例に適用が示されていますが、ペンタゾシンとともに向精神薬に分類されており、トラマドールに関しては処方箋医薬品となっていますが併用に関しても抗うつ剤との併用によるセロトニン症候群、鎮静系薬物によるけいれん閾値の低下や呼吸抑制の増強、飲酒による呼吸抑制の増強などに注意を要する旨が添付文書に記載されています。



最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

14
2018-03

オピオイド緊急事態宣言@USA

投稿時間 : 07時33分39秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

https://www.cnn.co.jp/usa/35109487.html
CNNによれば、2017年10月26日、アメリカのトランプ大統領は処方鎮痛薬オピオイドの流行を国民の健康の緊急事態と宣言し、ホワイトハウスのイースト・ルームの聴衆に、「オピオイドの流行を終わらせる世代になる」と語りました。大統領は演説の中で、オピオイドの蔓延について「公衆衛生上の国家的な非常事態だ」と言及。「今起こっているような事態は誰も見たことがない」と指摘し「アメリカ人として、これを続けることは許されない。」と述べました。

米国疾病管理予防センターUS Centers for Disease Control and Prevention(CDC)は処方オピオイド乱用が流行レベルに達したことを明らかにし、2016年の平均余命が78.6年に減少したことを報告しました。これは統計的に有意な減少であり、オピオイド関連の過量投与による死亡率の平均20%増加と一致しているという指摘もあります。アメリカでは1999年以降、オピオイドの過剰摂取による死者数が4倍、1日当たり40人以上までに増加しており、2000年から2015年にかけては、50万人以上が薬物の過剰摂取で死亡したともされています。これはオピオイドの問題に対する過小評価が原因と考えられるものの、外来での慢性疼痛を治療するためのオピオイド処方および転用によっても起こっており、外来患者への過剰処方がこれらを生じさせやすくしていると指摘する論文もあります。

参考:
Ballantyne JC:Opioids for the Treatment of Chronic Pain: Mistakes Made, Lessons Learned, and Future Directions.Anesth Analg. 2017 Nov;125(5):1769-1778.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29049121

2016年3月に、CDCは慢性疼痛治療を目的とするオピオイド系鎮痛薬の処方について新しいガイドラインを発表しています。アメリカでは慢性疼痛の治療では、オピオイド系鎮痛薬の処方量の半量は、プライマリケア担当医によって処方されているため、新ガイドラインは、慢性疼痛の治療において、オピオイド系鎮痛薬を使うべきか、また使うのであれば、適切な開始時期はいつか、といったことへのプライマリケア担当医に向けて作成されています。
このガイドラインには、具体的な薬剤選択肢、使用量、使用期間、そして治療効果やオピオイド系鎮痛薬の使用中止の評価法などについても記載されました。ただし、本ガイドラインからは積極的な癌治療や緩和ケアや終末期介護を受けている患者さんは対象者からははずされています。

新ガイドラインでは12件の推奨項目が示されていますが、特に以下のつの3点が原則とされたそうです。
・積極的な癌治療、緩和ケアや終末期介護を除く慢性疼痛の治療では、非オピオイド系鎮痛薬
 を使った治療が望ましい。
・オピオイド系鎮痛薬の使用では、オピオイド依存症や過剰摂取の危険を減らすため、最小
 有効量を処方する。
・医療提供者は、常にオピオイド系鎮痛薬の処方を注意深く実施し、処方したすべての患者を
 密接に監視する。


CDCの発表:
http://www.cdc.gov/media/releases/2016/p0315-prescribing-opioids-guidelines.html

CDC新ガイドライン:
http://www.cdc.gov/mmwr/volumes/65/rr/rr6501e1.htm


わが国においては、まだアメリカのような国家的な問題とはなっていませんが、オピオイド鎮痛薬の使用拡大に関しては、かつてのベンゾジアゼピンやSSRIのときのような適応拡大に対する懸念の声もあるようです。わが国のガイドラインはまたの機会に触れることにします。


最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

13
2018-03

ご家族のつどい@3月のお知らせ

投稿時間 : 12時24分07秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

まじかになって申し訳ありませんが、3月のご家族のつどいのお知らせです。本年は1月2月とLEAPの概要を学びました。3月からはさらにLEAPアプローチを4クール目となり、新たな気持ちで皆さまと学んでいきたいと思っています。どうぞお気軽にご参加ください。

日時:平成30年3月17日(土)
場所:住吉病院ケアセンター
   13:00 開始  (12:30から受付しています)
   15:00 終了
   15:00からは自由参加のご家族同士のフリートークとなります。時間は
   前後することもありますのでご了承ください。

内容:LEAPの”L”

   日常生活の場面でLEAPを使って対応してみたい場面を準備して
   きてください。

お申し込み:ケアセンター宛にお電話を頂くか、ご本人さまを通じてお申し込みください。当日の急なご参加も歓迎しています。当院ご利用者様以外のご家族のお立場の方のご参加もOKです!

お問い合わせについてはこちらをご覧ください→http://www.sumiyoshi-kaisei.jp/s-toiawase.html

[前回ご参加いただいた方々のご感想]
・「仕方がない」はよく使ってしまって○を怒らせてしまっています。使わないように
 気をつけて、つながっている感覚、信頼、関係をもっときずけるように実践して
 いきたいと思いました。
・いろんなことを話せたりしてとても、はげみになります。楽しみにしています。
・私の対話の方法の間違いや、ヒントがほんの少しだけですが、わかったような気が
 いたします。このような会に出会えてよかったです。
・もっともっとLEAPを学びたい。職員さんたちが一緒になって家族のことを考えて
 くださり、有難いなあと心から思いました。これからも通わせて下さい。
・過程ではなかなか学習された事は使えないでいますが、職場で気づいたら使って
 いる自分がいました。対話が足りないと言う事を学習した感じがしました。
・人生でお金の問題は大変な事ですが、皆で会話した事はとても勉強になりました。
 これからも皆でできるだけ話しましょう。
・今回もこれてよかったです。お金の話、むずかしいですね・・・・今後、話しの材料に
 してみようかと感じました。


最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。