公益財団法人 住吉偕成会 住吉病院

甲府市の『公益財団法人 住吉偕成会 住吉病院 』の”エンパワメント”ブログ

17
2019-07

TFT思考場療法

投稿時間 : 12時18分46秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

思考場療法(Thought Field Therapy、TFT)とは、アメリカの心理学者ロジャー・キャラハン氏が1970年代の終わりから発見し開発した、鍼のツボをシンプルにタッピングするという心理療法の一つです。私は阪神淡路大震災の後にトラウマを得た方の回復のためになにかできることはないか、と思って、友人であった今は故人の和歌山で開業されていた小児科医・高崎吉徳先生の主催されるワークショップで学ばせていただきました。あれから20年ほどが過ぎ、先日、山梨精神医学研究会で日本TFT協会代表の森川綾女先生にご講演をいただくことができました。

その治療機序は一般的な科学的なものとは感じられず、開発者のキャラハン氏が、既存の心理療法を批判したために、TFTは「まがいもの」としてアメリカの心理学の学会からは敵視されるようになりました。キャラハンやTFTの支持者たちは、TFTを支持するエビデンスは少しずつではあるが出始めていると主張しているそうですが、それらは査読されていない、ケース報告に基づくものであるとされています。

TFTのセルフケアは、自分で身体のツボをタッピングするわけなので、一度習えばお金はかからず、副作用もほとんどなく外来診療でも簡単に使える方法のように思われます。技法をごく簡単に説明すると、身体の経絡に対応するいくつかのツボを、疾患や症状等に応じて定式化された順序(ホロン)に従って、自分自身の指で5~10回ずつタッピングし、眼球をあちこちに動かしたり、ハミングしたりするという行動の処方があり、これをアルゴリズムと呼んでいますが、あやしいと思わせるのに十分です。これらの手順は本にも書いてありますし、一部は日本TFT協会のHPでも公開されています。

日本TFT協会http://www.jatft.org/


これらのアルゴリズムで効かない場合もあり、そこからは上級クラスの専門家にカウンセリングしてもらうのですが、上級クラスになると、TFT診断(TFTDx)からさらにはボイステクノロジー(VT)という奥儀に至るというさらにあやしそうな技法が登場しますが、残念ながら私はそれらは学んでいません。

私は、臨床で特定の疾患をTFTで治療するということはありませんが、薬が効かない、または使いたくないという方において頓用薬のように「辛い時に備える」ための代替治療という位置づけでお勧めしてみる場合があります。有効な方にはとてもいい印象を持っていただけるようです。また、減薬断薬を望んでおられる方々の場合にTFTDxでも述べられている、心身に影響を及ぼすような食生活(TFTではこういったものについてもご本人と一緒に考える癖がつきました。TFTではカフェインや白砂糖、コーンスターチなどがエネルギーに混乱を与えやすい物質(エネルギートキシン)であると言われているのですが、漢方的な考えからも、あながち間違っていないような気がしています。

講演会でトラウマ(複雑性PTSD)のアルゴリズムを行いながら、私は私にTFTを教えてくれた「赤いスポーツカー」の友人のことを思い出していました。彼はバイクに乗って交通事故に会い、車いす生活になっていたのですが、彼は赤い車いすに乗り、それを「スポーツカー」と称していたのでした。障がいを持っていることは人生の一部であるにすぎない、そのことで人の価値が下がることはないと私に強く刻んでくれた方でした。ユーモアを忘れず、素晴らしい行動力でTFTを日本に普及させ、VTの資格を取った最初の日本人でした。まだバリアフリーが普及していなかったころ、彼と一緒に参加した研修会の会場はエレベーターのない場所がありました。私たちは彼とは「お願いされた時にだけ手を貸す」という関係を大切にしていたので、階段を前にお願いされて友人とみんなで彼の車椅子を担いで降りたときに、彼が「ファラオじゃぁ~」と言って、みんなで笑ったことが思い出されました。彼にお願いされたから数人で担いだのでしたが、おかげで担いだ私たちが笑顔になれたのでしたっけ。

ずいぶん年月が経った講演会の会場で心がほっこりあたたまったのはアルゴリズムのせいだけじゃない。高崎さん、ありがとう。




最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

11
2019-07

世界ベンゾ注意喚起の日

投稿時間 : 08時42分34秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし


厚生労働省がベンゾジアゼピン系薬の使用に警鐘を鳴らして以来、少しずつ処方に対して考える人が増えているような気がしますが、ユーザー視点からこの問題を指摘し、毎年7月11日を「世界ベンゾ注意喚起の日」としてベンゾジアゼピン系薬の依存性について普及啓発などのソーシャルアクションを起こそうという呼びかけがあります。

世界ベンゾ注意喚起の日ホームページ→http://w-bad.org/japan/

「世界ベンゾ注意喚起の日」を呼びかけているのはニュージーランド出身で日本に移られてきたウェイン・ダグラス氏で、アシュトン・マニュアルの日本語翻訳者として知られている方でもあります。

ダグラス氏自身が日本で安易なベンゾジアゼピン系薬を処方されて依存に陥ったとして裁判を起こされましたが、最高裁まで持ち込んだものの、結果は残念なものでした。しかし、そこで終わらず。ダグラス氏はベンゾジアゼピン系薬物の危険性を世界に向けて発信しようと考えたのが、この「世界ベンゾ注意喚起の日」だそうです。もともとは、2015年、 Oldham TRANX (向精神薬の離脱サポートグループ)の前会長 Barry Haslam 氏の発案によるもので、ダグラス氏はそれを引き継ぐかたちで2016年からアクションを起こしています。なぜ7月11日をその日としたかといえば、7月11日はベンゾジアゼピン離脱に関する「アシュトン・マニュアル」を作ったイギリスのヘザー・アシュトン教授の誕生日だから、ということでした。

HP上にあるハンドアウトの一部をへたくそですが訳しました。

http://w-bad.org/wp-content/uploads/2017/05/Dos-and-Donts.pdf


家族・友人・支援の方たちへ:ベンゾ離脱中の人に支援するために

 あなたが、ベンゾジアゼピン(BZ)(および/または他の向精神薬)を中止したために離脱症候群を経験している人を支援している場合は、通常のアプローチでは効果がないことがわかります。離脱は奇妙な行動や一般的ではない身体的および心理的反応を引き起こす可能性があります。これはあなたを圧倒するかもしれません。そして、あなたはどう進むべきかわからなくなるかもしれません。
 あなたがすることができる最も重要なことはそこにいること、その人のためになにか利用できる状態でいること、そしてほとんど絶えず励ましを与えることです。
 穏やかでいてください。言葉で、あるいは言葉を使わずない方法で離脱している人を慰めます。温かいノンカフェインの飲み物をすすめたり、必要に応じて手を握ったり、やさしく触れて安心をしてもらってください。彼らの経験や感情を確認し、泣いたり、怒ったり、必要であれば黙っていても大丈夫であることを伝えます。
 私たちはあなたに判断を保留し、できるだけ辛抱強くいるように努めるようお願いします。問題のある離脱は、関係者全員をドラマに出てくるような竜巻、特徴のない行動、経済的困難、人間関係の摩擦などに巻き込む可能性があります。これらすべてが一時的な、離脱に起因するものであり、時とともに回復すると確信してください。
 離脱症状を持つ患者が訪ねてくるつもりがあるならば、あなたがどれくらいの時間を費やすことができるかを彼らに知らせることは良い考えです:
「私たちは1時間かそこらの間話すことができます、それから私はスーパーマーケットに行き、後で学校から子供を迎えに行く必要があります」。
 これは、あなたがその時間を提供することが可能であり、彼らがあなたにとって「負担」ではないことを知らせ、あなたの友人や親戚がリラックスする時間を与えるでしょう。 (これはしばしばBZ離脱患者が感じる懸念の問題です)それはまた、あなた自身の燃え尽きを避けるためにあなたがBZ患者からしばらく離れていることを可能にするでしょう。
 十分かつ適切な支援を与えることで、あなたは誰かの離脱体験に有益なプラスの効果をもたらしています。あなたの貢献は、彼らがどの程度この症状にうまく対処するかを決定する上で最も重要な要素の1つになる可能性があります。


弊病院は、今後とも適正な薬物療法を心がけてまいる所存です。






最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

10
2019-07

ご家族のつどい@7月のお知らせ

投稿時間 : 07時31分43秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

毎月1回開催されているご家族のつどいですが、67の開催をお知らせいたします。現在は、新たな元号にもなり、新たな気持ちで皆さまと5クール目を学んできております。回を重ねるたびに新たな気づきを感じることのできるこのつどい、どうぞお気軽にご参加ください。


今回は、ご家族同士のコミュニケーションをスムーズにするアプローチ法LEAPの各論から「Agree=同意すること」について、ご一緒に新たな学びに向けての話し合いをおこないたいと思います。

お申し込み:5月からご家族のつどいの管轄はケアセンターから、法人内の新たな部署「サポートハウスとびら」にうつりました。お申込みは法人代表電話番号を通じてお電話を頂くか、メールにてお申し込みください。当日のご参加も歓迎しています。最近、インターネット情報や口コミなどでこの会をお知りになり、当院ご利用者様以外のご家族のお立場の方もいらっしゃるようになりましたが、もちろんご参加はOKです!
※ 当院ご利用者様以外のご家族の方は、事前にご一報いただけますと幸いです。
   お問い合わせはこちらからお願いいたします
   →tobira〇sumiyoshi-kaisei.jp (〇の部分を@に変換してメールをしてください)

※ ご家族のつどい開催にあたり、ボランティアをしていただけるご家族の方も大募集
   しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

なお、当日10時より精神疾患についての情報提供を兼ねた家族教室「あおぞら会」も開催いたします。よろしかったらこちらもどうぞご利用ください。



最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

09
2019-07

あおぞら会@7月のお知らせ

投稿時間 : 00時20分15秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

公益財団法人住吉偕成会住吉病院では、本年1月よりご家族の皆さま向けに「あおぞら会(家族教室)」を開始いたしました。これまでの「ご家族のつどい」は実践的なご家族のかかわり方に重点を置いてご家族の皆さまの相互のお力を借りて開いてまいりましたが、今度の試みは大切な方が精神疾患の診断を受けられたけれど、どうしてよいのかわからない方、もっとよく病のことを知りたいと思っていらっしゃる方、どんな支援が受けられるのか情報を求めておられる方々により直接的な情報提供をお届けしたい、と始めたものです。

あおぞら会は1クール3回シリーズで行われます。今月は第3シーズンの第1回目・通算では第7回目ということになります。ご家族の皆さまにおかれましてはどうぞお気軽に足をお運びになっていただきたく、スタッフより心を込めてご案内する次第です。

あおぞら会第3シーズン第1回(通算第7回)
日時:令和元年7月13日(土) 10時~11時45分
内容:「精神疾患について」の講義+グループワーク
    今回は、精神疾患の代表的な病気である統合失調症について、
    現在の医療の基礎となる仮設や治療法などついて精神科医より
    情報を提供します。
場所:新館1階 作業療法室
※15分前から受け付けを行います


最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

05
2019-07

とびらオープニングパーティまであと1日

投稿時間 : 21時54分19秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

弊法人の新部署「サポートハウスとびら」のオープニングパーティまで、いよいよあと1日となりました。

日時:令和元年7月6日(土)
    12時30分受付開始、13時開始、16時30分終了予定
場所:公益財団法人住吉偕成会 住吉病院 
    旧アルコールセンター2階会議室
内容:特別講演 NPO法人ポプラの会様
    記念講演 NPO法人こらーるたいとう様
    シンポジウム「ピアサポートを広げるために私たちは何をしたら
    よいのか」

サポートハウスとびらのブログはこちらから→https://supportobira.blogspot.com/

会場となるのは旧アルコールセンターの2階です。入口には表示が張り出されていました。

本日は、たくさんの法人スタッフの方のお手伝いがあって、きれいに椅子も並べられ、明日掲げる看板などもすでにスタンバイ間近になっているそうです。横断幕?も手書き!さらには自作のくすだままで用意されているそうです。

サポートハウスとびらでは一昨年から法人として参加させていただいている無農薬米の他に、今年からあらたに無農薬野菜の栽培をてがけはじめたそうですが、今日ピーマンを大量に収穫したとのことで、明日は鮮度を保ったまま激安価格で販売されると聞きました。この収益によって、少しでも法人からの支援を減らして、ゆくゆくはサポートハウスとびらとして自立してくという意気込みを持っているそうです。

同じ法人の仲間として明日からのサポートハウスとびらの活動をとても楽しみに感じています。明日のオープニングパーティが多くの皆さまにお越しいただき、盛会されるように祈っています。



最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

04
2019-07

とびらオープニングパーティまであと2日

投稿時間 : 07時42分27秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

弊法人の新部署「サポートハウスとびら」のオープニングパーティまであと2日となりました。

日時:令和元年7月6日(土)
    12時30分受付開始、13時開始、16時30分終了予定
場所:公益財団法人住吉偕成会 住吉病院 
    旧アルコールセンター2階会議室
内容:特別講演 NPO法人ポプラの会様
    記念講演 NPO法人こらーるたいとう様
    シンポジウム「ピアサポートを広げるために私たちは何をしたら
    よいのか」

サポートハウスとびらのブログはこちらから→https://supportobira.blogspot.com/


今日はサポートハウスとびらの担当する弊法人ご利用者の皆さまの権利擁護についてお伝えします。

公益財団法人住吉偕成会では、各施設及び各部署等にご意見箱を設置しております。これまで、ご意見箱の回収及び開封、そしてお寄せいただいたご意見の検討及び法人への改善要望等は、法人内の苦情等改善委員会にて行ってまいりましたが、令和元年7月より、今年度から設立された新部署「サポートハウスとびら」が本業務を引き継ぐこととなりました。具体的な変更点等は下記に記載しておりますので、ご参照ください。

・意見箱の回収をサポートハウスとびらが2週間に1度行います。
・ご意見は、ご意見用紙にお書き込みの上意見箱に入れていただくか、サポートハ
 ウスとびら事務所への電話及びメールにて承っております。
・ご意見用紙の改訂を行います。
・いただいたご意見は、サポートハウスとびら運営会議において、憲法の専門家の
 先生を交えて検討を行い、毎月法人に改善要望書を提出いたします。
・ご意見をいただいた方からは、ご希望によりプライバシーに配慮した上で個別に
 お話をうかがいます。
・設備面に関するご意見をいただいた場合は、随時状況を確認いたします。
・ご意見用紙にご記名いただいた方でも、法人への報告は匿名で行うことができます。
・ご記名いただいた方には、結果をお知らせします。ご記名いただけなかった方には、
 お問い合わせいただいた場合のみ、結果をお知らせすることとします。
・お寄せいただいた方の個人情報については個人情報保護法を順守します。

大きな変更は「ご意見を書かれた書面は病院/施設のスタッフが直接目にしない」ということであり、「名前を書いてもとびらのスタッフ以外に知られないようにすることもできる」こと、そして「法律の専門家の学識経験のある方が検討に参加してくださるようになった」ことです。当法人のサービスを利用したスタッフが考えてこのシステムを採用することになったそうです。



最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

03
2019-07

とびらオープニングパーティまであと3日

投稿時間 : 12時28分04秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

弊法人の新部署「サポートハウスとびら」のオープニングパーティまであと3日となりました。

日時:令和元年7月6日(土)
    12時30分受付開始、13時開始、16時30分終了予定
場所:公益財団法人住吉偕成会 住吉病院 
    旧アルコールセンター2階会議室
内容:特別講演 NPO法人ポプラの会様
    記念講演 NPO法人こらーるたいとう様
    シンポジウム「ピアサポートを広げるために私たちは何をしたら
    よいのか」

サポートハウスとびらのブログはこちらから→https://supportobira.blogspot.com/

「サポートハウスとびら」と病院の関係

 ピアサポートハウスとびらは、法人の中では「住吉病院」にも「リカバリーセンター」にも属していません。つまり医療でも福祉でもない部署であり、広報や企画・権利擁護など、これまでの法人では十分に機能していなかった活動を担当していきます。大切にしているのはピアサポートの考え方で、肩書や上下関係をできるだけはずしたいという考えから、従来の医療や福祉の構造のない組織になりました。コアスタッフは専従も兼任も全員がメンタルヘルスサービスの利用経験者となっています。とびらには専門職の上司はおらず、理事長の直接の部署です。病院長との組織上の関係はなく、私と事務長はサポーターとして見守る立場です。

 どうしてそのような組織になったかを「リカバリー期成会第2期」委員長としてご説明します。その理由としては、アメリカで精神的困難の経験を持つ人たちによるピアサポートがメディケイドの給付の対象となりつつあり、わが国でも「ピアサポーター」が病院や施設で雇用されるようになるなどの社会の動きがあります。そして本来は医療や福祉の枠組みの外側にあるべきピアサポートが、治療や福祉の枠組みに入ると、そこにはサービス提供者と利用者、あるいはまた雇用主と労働者という上下関係が生じやすくなるのではないかという危惧を回避したいとの考えによるものです。

 リカバリー志向を広げようとする人たちの中には、「ピアの人」が専門職化されることを求めて活動している方もおられ、その考え方を私は否定しません。ただ、私の大好きなWRAPについての経験をお伝えすれば、私はWRAPのことを「価値と倫理」によって一人一人が自分のことを自分で決め、それが尊重されることを大切な文化としてとらえていて、それは生き方の一部であって治療そのものではないと考えています。私たちはいっとき医療の場面であるデイケアでWRAPグループを開いた時期がありました。アメリカでもWRAPはメディケイドの給付の対象、つまり「治療プラン」のなかに位置づけられる場合もあるそうですが、私たちはピアサポートの場であるWRAPを病院のプログラムとして行う事について、「何か違う」と話し合い、現在はよんもくWRAPとして独自の活動を行っています。同じようにピアサポートを大切にしている「サポートハウスとびら」は病院の組織でないことが重要と考えていますし、リカバリーにおいて大切なアドヴォカシーについては、病院や施設の外側から、法律の視点も取り入れて活動する必要性があると感じています。

 もう一つ。アメリカにおいても認定ピア・スペシャリスト(Certified Peer Specialist:CPS)のトレーニングが拡がりはじめ、日本でもピアサポート専門員の研修が行われはじめました。私の仲間も何名かは参加しましたがピアサポートが専門職の誰かの指導のもとで行われることの違和感がありました。

 IPS援助付き雇用の実証研究の一つでは「ピア・プロバイダー」(プロバイダー=サービス提供者)を「精神障害から機能的に回復しており、自分自身が精神保健サービスを受けており、精神保健プログラムによって雇用されて、専門職の職員の傍らで働いている人たち」と定義して「ケース・マネージャー補助業務」と「入院しているコンシューマーを外来サービスにつなぐ、地域での補助業務」を担当するということにしています。このピア・プロバイダーが組織にいる方が組織としての成果は良いという結論をこの研究は導きましたが、精神的困難の経験を理由に「補助的な仕事」に特化したこのような雇用体制について私たちは疑問を感じています。私たちの法人の就業生活支援センタ―では「ピアの人」としての雇用はしていません。

 誰かの行う仕事が「ピアサポート」になるということは、その人のもつ特性や立場に基づくのではなく、人と人との関係性によって規定されると私は思います。一人で座っているだけで定義されたりするものではないと考えます。

 サポートハウスとびらでは「ピアの人」という立場のスタッフはいません。たしかにとびらには「ピアサポート専門員」の研修を受けたスタッフはいますが、その研修を受けていないとびらのスタッフも、研修は受けたけけれどもとびらのスタッフではない人も法人にはいます。そもそも法人では「ピアスタッフ」という職務内容で規定された雇用関係にある人はいません。カルテを書くことや一定の治療プログラムの援助をすることや向精神薬の服用を勧めることは、パワー格差や、本当の自己決定を阻害している可能性があり、それらは私たちが「ピアサポート」と呼んでいる関係性と相容れないように思います。

 「ピア」という存在は、支援側の作った小さな枠組みに適合して、支援側の物の見方で活動することのできる人たちだけによって成り立っているという考えであれば、その結果はこれまでの考え方の枠をこえることはできないでしょう。

 それぞれの立場の人が、そのやりたいことをやるための知恵を出し合うために、お互いがサポートしあう、そして人は「誰でも適切な機会さえあれば、自分の課題を自分で解決することができる」というピアカウンセリングの精神にのっとって活動して行くことをサポートハウスとびらには期待しています。



最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

02
2019-07

とびらオープニングパーティまであと4日

投稿時間 : 07時58分07秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

弊法人の新部署「サポートハウスとびら」のオープニングパーティまであと4日となりました。

日時:令和元年7月6日(土)
    12時30分受付開始、13時開始、16時30分終了予定
場所:公益財団法人住吉偕成会 住吉病院 
    旧アルコールセンター2階会議室
内容:特別講演 NPO法人ポプラの会様
    記念講演 NPO法人こらーるたいとう様
    シンポジウム「ピアサポートを広げるために私たちは何をしたら
    よいのか」

サポートハウスとびらのブログはこちらから→https://supportobira.blogspot.com/

今回のシンポジウムで特別講演をいただくNPO法人こらーるたいとうさまについて、ホームページからもう一度おさらいをいします。

こらーるたいとう様のHP→https://www.koraru-taitou.com/

【こらーるたいとうとは】
人が生きていくとき、“私の人生は私が主役なんだ”と思える、自己肯定感を持つことが大切です。私たちは障害のあるなしを超えて、障害の種別を超えて、
“心が疲れたな”
“人間関係がうまくいかないな”
“私ってどんな人間なのかもっと知りたい”
“もっと自分を好きになれたらいいのにな”
と感じて悩んでいる人々と連なり、助け合うことで、人間として回復し、元気になってきました。
 私たち精神障害者自身が自分の力を信じて、人生を選択し成功して失敗したりして、人間として成長していくことには、人が自分を見つめて、楽しいことをいっぱいして、充実した人生を送っていくためのヒントになります。
 こらーるたいとうは、身体障害を持つ人々、知的障害を持つ人々、一般市民と共に運営している精神障害者ピアサポートセンターです。

【歴史】

こらーるたいとうは、ソロではなく、みんなで協力し合って美しい音楽をそっと響かせていたいという思いのもと、1998年8月に開設された団体です。身体障がいを持つ人々、知的障がいを持つ人々、一般市民とともに運営している精神障害者ピアサポートセンターです。

【活動】
 障がいを持った人々が、地域で豊かな生活をおくれるよう、ピアサポート、自立生活プログラム、権利擁贋、介助者育成、研修会などを行っています。就労継続支援B型事業「ピアレストランこらーるカフェ」を設置運営しています。

【主な事業】
★ピアサポート:年齢や役割を超えて対等に時間を分け合い、役割交代をして“私”
  を主語に"私の感情”をありのままに開放して、秘密厳守するぴあ・カウンセリング
  を手がかりに仲間同士の生活・生きがいを支援し合っていきます。   

★権利擁護:精神障害者を中心に、障害を持つ人々、高齢者、女性、子供は、権利
  侵害にあいやすい状況におかれています。 本人も権利侵害とは思わず、“私が
  悪いのだ”“私のせいだ”と問題を背負い込んで生活している場合が多いのです。
  私たちは施設・病院・地域でおきている権利侵害に対して、本人自身をエンパ
  ワーメントして、一緒に解決していきます。

★自立生活プログラム:私たちは、自分を好きになってくると、生活のすみずみに
  人間としていろいろな権利、責任があったのだと気がついてきます。同じテーマ
  を持って生きている仲間、同じ障害をもって生きている仲間に会うことは、私たち
  に回復をもたらし、元気にしてきました。そして、楽しいこと、豊かな体験をいっぱ
  いして、過去にひきづられる“私”から、今日を生きる“私”、明日を切り開く勇気
  を持つ“私”お互い変化していきます。自立生活プログラムは障害や生き方や
  権利や好きなこと好きな人などについて安心して語り合える場であり、実際に
  おいしいものを作ったり、楽しい演奏をしあったり、絵を描いたりする場です。
  また、退院準備、自立生活を支援する活動も自立生活プログラムです。

★介助者育成・派遣:具合悪いとき黙って横にいてくれる人、私が悲しいとき一緒に
  泣いてくれる人、私が嬉しいとき一緒に笑ってくれる人、私がしかられるとき、いっ
  しょにしょげてしかられてくれる人、私が一生懸命ふきこんだ音楽を一緒に聞いて
  くれる人……精神障害者の自立生活にも介助者が必要です。私たちの介助者は、
  私たち自身が育成していく責任があります。そして一緒に私たちの自立生活を
  エンジョイしていきたいと願っています。


最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

01
2019-07

とびらオープニングパーティまであと5日

投稿時間 : 21時01分25秒

カテゴリー : メンタルヘルス

ジャンル : 指定なし

弊法人の新部署「サポートハウスとびら」のオープニングパーティまであと5日となりました。

日時:令和元年7月6日(土)
    12時30分受付開始、13時開始、16時30分終了予定
場所:公益財団法人住吉偕成会 住吉病院 
    旧アルコールセンター2階会議室
内容:特別講演 NPO法人ポプラの会様
    記念講演 NPO法人こらーるたいとう様
    シンポジウム「ピアサポートを広げるために私たちは何をしたら
    よいのか」

サポートハウスとびらのブログはこちらから→https://supportobira.blogspot.com/

今回のシンポジウムで特別講演をいただくNPO法人ポプラの会さまについて、ホームページからもう一度おさらいをします。

ポプラの会様のHP→http://www.poplar-nagano.sakura.ne.jp/

☆ ポプラの会の歩み
2003年:準備期間として10か月かけ準備会をしながら、会の名称、規約、活動内容
      を話し合う。
2004年:4月17日 長野市ふれあい福祉センターで80名の参加を得て、長野市
      精神障害「当事者ポプラの会」発足
2005年:長野県「ピアサポート事業」を「せいしれん(旧長野県精神障害者地域生活   
      支援連絡会)」と協働で委託で受け長野県社会福祉総合センター4階に
      事務所を構える
2007年:10月10日 NPO法人格を取得、名称を「NPO法人ポプラの会」に改める。
2008年:地域活動支援センターⅢ型を開設
      →当事者スタッフ(ピアスタッフ)で企画運営している
2009年:12月1日 長野県精神保健福祉協会より多年にわたる精神保健福祉の
      向上に尽力した功績で表彰を受ける。
2010年:長野県ピアサポートネットワーク 発足 代表・事務局を務める
2012年:長野県社会福祉総合センター2階に事務所を移転
2013年:4月 地域活動支援センターⅡ型に移行
2014年:4月 長野県ピアサポートネットワークが長野県の「障がい者支え合い活動
      支援事業」を受託する。
2014年:多年にわたる精神保健福祉の向上に尽力した功績で長野県知事表彰を
      受ける。

【目標】~私たちが大切にしていること~
 原点は、私たちの意見、要望が施策に反映できる機会を頂いたことがきっかけです。その中で、私たち何ができるかというところからスタートいたしました。
 ポプラという名前も、ポプラの枝が天に向かってまっすくに伸びていき、それぞれ個性豊かな皆さんが一枚一枚の葉として大きな幹に成長したいという思いで発足いたしました。
 ポプラでは、「同じ経験をした仲間、対等な関係性」を柱に、お互いが支え合いエンパワーメントし合う(本人の持っている力を引き出しあう)関係性を大切にしてきました。
 障がいを持っていても「生きづらさ」、「生活のしづらさ」を対等な(ピア)の立場で安心して地域で暮らせることができる居場所づくり、仲間づくりの憩いの場所でもあります。
 また、私たちは相談事業を始め、普及啓発で色々な場所で体験談を中心にリカバリー(回復)の重要性も訴えていきます。
 そして、要望活動や施策提言では皆さんの要望を中心に、各関係機関、をはじめ多くの方々の意見をお聞きしながらその人らしく生活ができるようにお互いに支え合っていきたいと思います。皆さんとともに元気をいただき一緒になって活動をしてまいりたいと思います。
 最後に、明るく、楽しくお互いが支え合いながら成長できるように、皆さんと一緒に歩んでいきたいと思いますので、ご理解とご支援をいただきたいとおもいます。
 今後とも、宜しくお願い致します。

【理念】~ポプラの会が大切にしていること~ 
 様々な「生活のしづらさ」や困難を抱えていても、地域で安心して暮らせるように皆で力を併せて、それぞれが「その人らしく」居られるようにピアサポートしていきます。
 ポプラの会単体ではなく、家族会、様々な関係機関や支援者、ボランティア、地域の方々とつながりながら、支え合いながら、交流をしながら、当事者がリカバリー(回復)を辿ることに力を注ぎます。
  
 ★ 当事者(ご本人)の希望や意思を尊重していくように努めます。
 ★ 当事者として、ピア(対等)の立場で、支え合っていきます。
 ★ 障がいに対する「差別・偏見の解消」に当事者として寄与し、より良い地域になる
   よう、務めます。
 ★ 障がいがあっても、地域で安心して暮らせるよう、制度や施策に当事者の声が
   反映され、改善されるよう、声をあげ運動していきます。
 ★ 長野市内、県内外、国内外を問わず、家族会・他機関・団体・当事者会との連携
   を持ちながら、私たち皆がいきいきと地域で暮らせることを目指します。
 ★ ピアサポートを軸に、「人として対等である」ことを尊重し、それぞれの尊厳を
   大切にしながら、リカバリ―の応援をします。
 ★ 研鑽を積んでより人間として学び成長することを目指します。

着実な実践を継続されている皆さまのお話しからたくさん学びを得たいと思っています。


最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

30
2019-06

夏越の大祓い

投稿時間 : 15時19分02秒

カテゴリー : 日記

ジャンル : 指定なし

住吉神社では、毎年、夏季大祭(御田植神事)を控えたこの時期、随神門の正面に茅の輪(ちのわ)という、茅草(かやくさ)で作られた大きな輪が設置されています。これは「夏越の祓」(なごしのはらえ)と呼ばれる儀式に使われるものです。

夏越の祓では「茅の輪潜り(ちのわくぐり)」が行われます。住吉神社でも笹の葉を建てて注連縄を張った結界内に茅で編んだ茅の輪を氏子が正面から最初に左回り、次に右回りと八の字を描いて合計3回くぐることで、半年間に溜まった病と罪穢れを落とし残りの半年を無事に過ごせることを願うという儀式です。

由来としては『釈日本紀』逸文の『備後国風土記』に記されている疫隈国、素盞嗚神社の蘇民将来伝説があげられ、武塔神の指示により茅の輪を腰につけたところ災厄から免れ、武塔神は自らを速須佐雄と名乗り去っていったと書かれているところからきているようです。

私も茅の輪のところに掲示されているご作法にのっとり、茅の輪くぐりをして本年前半の罪穢れをお祓いしていただき、令和元年の残り半年に思いを新たにさせていただきました。

なお、茅の輪の"茅"を引き抜き持ち帰ってお守りとする俗信がありますが、本来は茅の輪をくぐった人たちの罪や穢れ・災厄が茅に遷されているため、茅を持ち帰ることは他人の災厄を自宅に持ち帰ることになるので避けるべきとされています。

甲斐之国住吉神社様のHPはこちら→http://www.kai-sumiyoshijinja.jp/index.html


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