『道元「禅」の言葉』:境野勝悟著(三笠書房)
道元禅師は鎌倉時代、1200年宇治に生誕。
中国(宋)に留学。帰国後、曹洞宗「禅」を日本に広める。
第3回目は、
知発にあらず菩提心発なり-相手の意見に耳を傾ける(心身学道)
自信を持つことと、自分の考えに固執することは別物
ここでいう「知」とは、ちっぽけな自己の考え=自分の欲望満足の追求であり、「菩提心」とは、悟りを求める心、菩薩に象徴される人を救うための大きなやさしい心と解されます。
著者境野さんは、自分のちっぽけな考えに固執せず、相手の意見に耳を傾ける心の寛さを持つことを勧めておられます。
このことは、他人の利益をはかる姿勢(脳力開発入門より)にも、つながっていきます。自己の利益のみに固執し、「自他利行」の精神がないと人間関係も商いも先が詰まっていくと思います。
他人の利益を考えるには、譲れるところと譲れないところを頭の中で整理する。
譲れるところは、相手に譲るという習慣をつけられれば、人との衝突が少なくなると思います。
ところで、第二回目で「主体性」の話を書きましたが、「主体性」というと、とんだ勘違いをされる方がおられます。「主体性」とは、「愛語」・「自他利行」の精神を含んだものであると考えてください。
勘違いで多いのが、「俺が俺が」=目立とうとする・目立つことだけする。
そしてこのような人は、「相手の意見に耳を傾ける」ことが少なく、自説が最高であると勘違いしているという特徴があるように思います。
一人の力で、一人の考えで、100点満点の仕事ができるわけではありません。
頭の切れる人でも「やれて70点」、私のような鈍刀は50点以下。
残りの点数は、部下・同僚・上司・関係者に助けられて仕事をしています。
だから当社では、QC活動を導入し、みんなの力で自分たちの問題を解決しています。
声の大きなあなた!。
一度沈黙(場合によって沈黙は金となります)して、助言に耳を傾ける習慣をつくってみてはどうでしょうか。
心のひろがりがあるかも知れませんよ。
文責:宮地登三
