施設長 山本洋
やっと昨日宿毛市の大井田病院を退院した。本日から勤務にでる。初日から結構タイトなスケジュール。病棟、外来、理事会。問題山積。その中でもやはり自分自身の今後の仕事の継続が難しくなったことに関してのこと。以前からのことではあるが、高知県の周辺部の医師不足の問題が根深い。
先月バイパス手術の前に主治医からの病状説明によれば、「今回入院時の造影CT検査では肝門部に腫瘤を認める。臨床的には膵癌の腫瘍マーカーの増加と併せて考えれば膵臓癌の再発と考えられる。術後体力が回復した段階で抗がん剤治療をしましょう、2年は難しいと考えます」とのこと。「開腹して、生検が出来ればしますが、難しければ止めます」との説明。同意する以外には選択肢はない。14日バイパス手術を受けて、25日に宿毛市の大井田病院へ転院したが、やはりまだ食事をするとすぐに詰まって嘔吐することを繰り返していた。30日水曜日の朝造影剤を使用して胃透視の検査を受けたが、残念ながら今回手術した新しい吻合部への流れは認められなかった。「まだ手術の影響で腫れがあるのでしょう、しかし必ず通るようになりますから」と、田中院長が説明してくれた。事実その日の夕方、今までにない心窩部の左側でグニュグニュとする感じが出現した。胃の中から内容物が動いて行っているような感じである。その日から嘔吐が少なくなった。どうやら新しい吻合部から胃内容物が吻合した十二指腸へ流れて行きはじめたようだ。それから嘔吐することを覚悟で色々食べてみたが幸い嘔吐は少なくなって、やっと退院する気になった。脱水にならないようにと二日点滴を受けて31日に退院した。少しでも食事をして7日からの抗がん剤治療に備えることにした。
しかし今後予期せぬ出来事がいつ起きるとも限らない。理事会で次の施設長を早急に確保していただくようにお願いする。現在多職種で働き方改革が進められている。医師の働き方改革は、多職種に比べればもう少し先の話になるであろうが、現在の当院での医師の勤務はまず一番に問題視されると考えられる。できるだけ地域で夜間の当直を手伝っていただける医師の確保が喫緊の課題である。多方面にお願いしていく必要がある。
さあ、11月7日から膵癌に対する化学療法が始まる。週に1回高知まで通院する。3週継続して1週休み。大きな問題がなければ幡多でお願いすることになるが、どちらにしても初めての体験である。気後れする気持ちがあるが、避けては通れない。今回の手術では生検はできていないようである。腫瘍マーカーを見ながらの治療となる。頑張るしかない。残念ながら、当院の現役職員で抗がん剤治療をしているものが2人いる。今回11月7日から私が始めるが、なんと今まで緩解していた職員が再発が認められ同じ日から化学療法を再開することのこと。同病相哀れむではないが、手を携えて頑張っていくしかない。最近退職した元職員も現在化学療法を受けていると聞いた。明日は我が身と考えて職員の皆には少しでも異常があれば早めの受診をすること。定期的に検診をしっかり受けることをお願いしたい。